皆様こんにちは。
いつもブライトリングブティック京都のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は、つい先日8年連続で「モルガン・スタンレー銀行」から発表された2024年のスイス時計販売実績ランキングについてご紹介したいと思います。スイス時計業界は常に変化し続けており、高級時計ブランドの順位も毎年注目を集めています。今年のランキングでは、皆様が愛用されている時計ブランドは一体どの位置にランクインしているのでしょうか？
また、ブライトリングをはじめとする人気ブランドの順位はどうなったのか？ その結果に驚くこと間違いなし！
果たして、2024年のスイス時計市場を制したブランドはどこなのか？ ぜひ最後までご覧ください！
2023年の実績は？
2024年の販売実績ランキングをご紹介する前に、まずは前年（2023年）のランキングを振り返ってみましょう。前年の結果をおさらいすることで、各ブランドがどのように成長・変化しているのかがより分かりやすくなります。
2023年は、引き続き市場全体が堅調に推移する中で、一部のブランドが大きくシェアを伸ばし、または意外な順位変動が見られた年でもありました。果たして、2023年はどのブランドがトップを飾り、どのブランドが飛躍を遂げたのか？
今年（2024年）の結果と比較するためにも、まずは昨年の実績を振り返っていきましょう！
詳しく見たい方向けに解説していきます。
「Turnover in CHF m」
まず、ランキングの指標となる「Turnover in CHF m」について説明しておきましょう。これは売上高（スイスフラン単位、ミリオン）を示しており、1ミリオン＝100万スイスフランとなります。
例えば、ブライトリングの売上高は870ミリオンCHF（8億7000万スイスフラン）です。
これを日本円に換算すると、現在の為替レート1スイスフラン＝166.56円で計算すると、
870,000,000 × 166.56 ＝ 144,903,397,734円
つまり、約1兆4490億円という規模になります。
こうして実際の金額に換算すると、スイス時計ブランドの市場規模の大きさがより実感できますね。では、この売上高がランキングにどう影響しているのか、詳しく見ていきましょう！
「Number of units sold」
次に注目したいのが、年間の販売本数です。この指標は、各ブランドが1年間で市場に送り出した時計の本数を示しており、ブランドの規模や人気の高さを測る重要なデータとなります。
例えば、ブライトリングの年間販売本数は178,000本となっています。これはつまり、1年間で約18万本近くの時計が世界中で販売されたということになります。
スイス高級時計ブランドは、単に販売本数が多ければ良いというわけではなく、ブランドごとに「生産本数を限定することで希少価値を高める戦略」や「大量生産による市場拡大戦略」など、それぞれ異なる方針を持っています。そのため、生産本数の違いにも注目すると、各ブランドのビジネスモデルの特徴が見えてくるのです。
「一体どのブランドがどれだけの本数を生産・販売しているのか？」「本当に在庫が無いのか？」
時計ファンにとっては非常に気になるポイントですよね。
「Implied average retail price per watch」
次に注目したいのが、平均単価（Average Price）です。これは、1本あたりの平均販売価格を示しており、ブランドの市場戦略や価格帯を知る上で重要な指標となります。
近年、時計業界に限らず世界的な物価上昇が話題になっていますが、実際の時計の価格はどう変化しているのでしょうか？ 高級時計はもともと資産価値が高いことで知られていますが、原材料費の高騰や為替の影響、ブランド戦略によっても価格が変動するため、平均単価の動向は非常に興味深いポイントです。
例えば、ブライトリングの平均単価は6,769スイスフランとなっています。
これを日本円に換算すると、現在の為替レート1スイスフラン＝166.56円で計算すると、
6,769 × 166.56 = 1,077,476円
つまり、ブライトリングの時計1本の平均価格は約107万円となります。
2024年の結果は？
さて、ここまで2023年の実績の振り返りとともに、ランキングの指標となる売上高・販売本数・平均単価について詳しくご説明してきました。これにより、各ブランドがどのような市場戦略をとっているのか、少しずつ見えてきたのではないでしょうか？
それでは、いよいよ2024年の最新ランキングを見ていきましょう！ 今年はどのブランドが躍進し、どのブランドが順位を落としたのか？ そして、ブライトリングの順位や成長はどうなったのか？
時計業界にとって大きな変化の年となった2024年の結果を、詳しく見ていきたいと思います！
2024年のランキングを見てみると、2023年と比較して大多数のブランドが売上を落としているという興味深い結果が出ています。
近年、時計業界は世界的な経済の変動や市場の調整を受け、成長を続けてきましたが、2024年は全体的に減速傾向にあることがデータからも読み取れます。特に、昨年と比べて売上が下がっているブランドが多く、業界全体として厳しい1年となったことが伺えます。
一方で、売上が前年比でプラス成長となったブランドもありますが、そのほとんどがわずかな微増にとどまっているのが実情です。大幅な成長を遂げたブランドは少なく、各社が市場環境の変化に対応しながら慎重な経営を続けていることが見て取れます。
ブライトリングの結果は？
2023年の「Turnover in CHF m」（売上高）は870ミリオンCHF（8億7000万スイスフラン）でしたが、2024年は850ミリオンCHF（8億5000万スイスフラン）となり、前年比で2000万スイスフラン（約33億円）の売上減となりました。
一見すると減少傾向に見えますが、業界全体の動向を考慮すると比較的健闘した結果と言えるでしょう。なぜなら、2024年の市場では1億スイスフラン以上の大幅な売上減少を記録したブランドも複数あり、全体的に厳しい状況が浮き彫りになっているからです。
こうした中で、ブライトリングの売上減少は比較的小さく、市場の変動に対して堅実なパフォーマンスを維持できていると言えます。この安定した推移は、ブランドの戦略や製品の魅力がしっかりと支持されている証拠とも考えられますね。
「Number of units sold」（販売本数）について見ると、2023年の178,000本から2024年は160,000本へと減少し、前年比で18,000本の減少となりました。これは、全体的な市場の冷え込みや消費者の購買行動の変化が影響している可能性があります。
一方で、「Implied average retail price per watch」（平均単価）は、2023年の6,769スイスフランから7,358スイスフランへと上昇し、約10％の価格上昇が見られます。現在の為替レート1スイスフラン＝166.56円で計算すると、
7,358 × 166.56 = 1,225,248円（約122万円）
つまり、販売本数は減少しているものの、1本あたりの平均販売価格が上昇したことで売上の落ち込みをある程度抑えていると考えられます。
この平均単価の上昇は、単なる値上げではなく、高付加価値モデルの投入やブランドのプレミアム化戦略が影響している可能性もあります。時計業界全体で価格が上昇する傾向にある中、ブライトリングもその流れに沿って、より高価格帯のモデルを展開していることが伺えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
2024年のスイス時計販売実績ランキングを振り返りながら、各ブランドの売上や販売本数、平均単価の変化を見てきました。皆様がすでにお持ちの時計ブランドはランキングに入っていましたか？
今年の結果を見ると、市場全体がやや厳しい状況の中でも、各ブランドがそれぞれの戦略で成長を目指していることがわかりました。特に、ブライトリングは販売本数の減少があったものの、平均単価の上昇によって売上の落ち込みを最小限に抑えるなど、今後の展開に期待が持てる結果となりました。
次回の記事では、過去8年間のランキングを振り返りながら、成長しているブランドや人気が落ちているブランドの傾向を分析し、ブライトリングの今後の展望について予測していきたいと思います。
ぜひ次回もお楽しみに！
