ナビタイマー

ブライトリングの気になる魅力とは?〜愛用スタッフ独自の観点で一体どこに惹かれるのか、その世界観に迫る〜

こんにちは、澤本です。

お客様とのお話の中で、「ブライトリングの魅力って他に例えられないよね」「男のロマンを感じるところがいい」「パイロットがつけてる時計を身につけられることが嬉しい」というお声をいただきます。
もちろんデザインに魅力を感じられる方も多くいらっしゃいますが、それ以外の雰囲気やブランドの歴史背景、活動内容など支持されている内容は様々です。
私個人としては、過去に製造業をしていたこともあり、素材一つから時計が出来上がるまでの過程、時計一つ一つにしっかりとした背景があり、拘りを持って製作された素晴らしいものであるというところに一番の感銘を受けました。

初めてブライトリングを知るきっかけになったのは、前職の上司が身につけていた「クロノマット エボリューション」です。
ブライトリングファンの方の多くは首を縦に振る方も多いのではないでしょうか。
あの精悍なデザイン、洗練されたフォルムに衝撃を受けたことを今でも忘れません。
しかし、実際に初めて機械式時計として選んだのは「ナビタイマー」でした。
その理由というのが最初はデザインに惹かれていたのに対して、私が心から惹かれたのは「ナビタイマー」の歴史や文字盤一つの製造方法など、時計のデザインだけではなく商品に至る過程も含めてでした。(この先はあくまでも私の思いなので、ご興味のない方は飛ばしてください)

ブライトリングの時計は全て時計大国として有名なスイスで製造されています。
一つ一つが手作業と工業機械によって製作され、それらを時計職人が一つ一つ組み上げていく形となります。
実際にスイスに行ったことがないので、細部に渡る内容はわかりかねる点はありますが、実際に時計を解体して組み上げることをしたことがあるので、その緻密で繊細な作業をしていると考えると技術の高さに驚きます。
前置きが長くなりましたが、私が「ナビタイマー」の魅力に惹かれたその一つが時計の文字盤です。

まず興味をもったものとは

時計の文字盤は真鍮(ブラス)という金属製の素材に電解メッキやラッカー仕上げなどを行い染色していくのが一般的です。
実際にブライトリングの時計も大半が同様となります。
そして、インデックスという時間を確認する際のメモリは、アプライド(植字)と呼ばれる後付けのものや、プリントタイプ、エンボス(凹凸)をつけて加工がされます。
その中で私が何に魅力を感じたかというと、身につけている「ナビタイマー」はその電解メッキをする際に伝統的な機能美の一つである”航空回転計算尺”のメモリの一部を綺麗にマスキングを施して作業をしているという点でした。
私が使用している「ナビタイマー」のブルーダイヤルに関しては、一度シルバーカラーになるようにメッキ処理を行い、その次にマスキングをして、次にブルーカラーにするための電解メッキを行っています。(ブラックの部分も同様)
なので、メモリのプリントが経年変化によって劣化するという点での問題を解消しているのではないかと興味を持ったのが一つでした。
(※ 実際、プリントだからといって劣化するのは古い時計に対しての個人の固定概念でした。)

文字盤のサンレイ仕上げという、ダイヤル中央から外周に向かって放射状に細かな線が沢山広がるもので、光のあたり具合によって文字盤の色味に濃淡が出る加工がされているのですが、これによってマスキングしているメモリの箇所にも同様の効果が見られ、その細かな加工技術の高さと美しさに魅力を感じました。

その魅力を知ったのも技術者の方から話を伺うこともあれば、ブライトリングの資料に目を通したりとさまざまでした。

ウォッチケースについての興味

続いて、興味を持ったのがウォッチケースについてです。
製造方法としては切削による削り出しと鍛造(スタンピング)の二つの技法です。
私の時計はステンレススチール製で、このステンレススチールをただ単に素材から切削しただけでなく、まずは素材を叩き上げたり、圧力をかけて素材をプレスし、素材の密度が上がります。
過去の製造業時代は鍛造というと密度が高い分、ムラが少なく仕上がりが綺麗な点、硬度が高くなり摩耗性が上がるなどメリットがあります。(そのほかでは削り出しで余計な固定数を減らすために、プレスをしてある程度の形にするための型抜きを行うこともあります)
どのような機械部品でも重要な箇所は鍛造の素材からできていたことも強く覚えています。
ただ、加工する側としては加工難度が高くなるので嫌がることが多いのが現実で、実際に鍛造のものとそうでないものとでは素材から部品が出来上がった時の輝きが違います。

そして、このステンレススチールの素材にはオーステナイト系ステンレススチール316Lを使用していることです。(ブライトリング製品のステンレススチールは全て316Lです。)
他のステンレス鋼に比べて腐食性、靱性が高いので綺麗な美しさを保ってくれるだけでなく、丈夫なステンレスということがわかりました。
このステンレスは一般的に沿岸部のプラント設備や、海水を利用する工場の配管や、バルブ、ポンプなどがおもな用途となります。
加工性は難しく、原材料が高いことで製造業界内では有名な素材なだけに日常遣いに使用するものとしてはあまり見られないものです。
それだけに日常で身につけるものとして上質なものに手間暇をかけて製造しているということがすぐに理解できました。

と、ここまで書いた内容を見返すとかなりマニアックな内容となっていますが、問題ないでしょうか。
購入した「ナビタイマー」についての背景をご紹介できていないので、これからご紹介いたします。
その他の点はまた別記事にてご紹介いたします。(ムーブメントなど)
もし、記事が掲載されるまでに気になる方は店頭にて直接お話させていただくことも可能なので、お立ち寄りください。

ナビタイマーについての興味

さて、それでは「ナビタイマー」についてですが、1952年に”世界パイロット協会【AOPA】”の会員向けに製作された時計ということで有名です。
そう、「ナビタイマー」が誕生した時、ブライトリングが最初から販売していた時計ではないのです。
当初はその会員様向けの時計として一般販売はされておらず、欲しくても手にできないという方も多くいたそうです。
※ 現在は70年以上続く歴史的なクラシッククロノとして唯一無二の地位を確立しました。

パイロットだけが身につけられる腕時計として誕生したという背景に心惹かれました。
(パイロットになりたいという夢を持ったことは幼稚園ぐらいにあった記憶はありますが、実際には思ったことはありません。)
ご存知の方も多くいらっしゃるかとおもいますが、映画”トップガン”を見て空への憧れを抱いたことは今でも鮮明に覚えています。
そのこともあり「ナビタイマー」はパイロットの時計というだけで魅力を感じます。
そして、”航空回転計算尺”が稼働して演算ができるとなると、そのギミックの凄さに驚きを覚えました。
実際、簡単な演算はわかりますがマイルの計算などの細かな使い方はまだマスターできていません。
自分には使いこなせないオーバースペックのものに魅力を感じるというのは男性は良くあることかもしれません。
しかし、その時計を身につけてパイロットも使用しているということだけで頭の中でロマンが広がり嬉しくなることもまた現実ではないでしょうか。

ご愛用される方で同じ思いをお持ちの方もいらっしゃると私は信じています。

「ナビタイマー」は特徴的なデザインが”航空回転計算尺”だけでなく、容易にベゼル操作を可能としたノコギリ型の両方向回転ベゼルやきめ細やかな7連のブレスレットにもあります。
このブレスレットは宝飾系のデザイナーとして活躍していたエディ・ショッフェル氏がデザインしたもので、見た目は飛行機のタービンの羽から着想を得ています。
そのため、コマの一つ一つが斜めにカットされたような形状となっています。
デザインからエルゴノミクス(人間工学)に基づき設計を起こし、洗練されたカッコ良さだけでなく、素晴らしい着用感も実現しています。
エディ・ショッフェル氏はブライトリングだけでなく、他ブランドの時計も携わったこともある業界内では有名な方です。

近年のブライトリングのデザイナーはガイ・ボべ氏やシルヴァン・ベルネロン氏となります。
現在のCEO ジョージ・カーン氏が過去のブライトリングのDNAを復活させており、その伝統や意思を体現しているのが彼らとなります。
※ ガイ・ボベ氏…IWCやショパールのデザイナー歴あり
※ シルヴァン・ベルネロン氏…BMWやポルシェ、ドゥカティのデザイナー歴あり

一つ一つの拘りや伝統、品質に心を動かされ、私は「ナビタイマー」を手に取りました。
まだまだ話尽くせないことがありますが、そのお話は店頭にて最新モデルとともにご紹介いたしますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
次回はムーブメントなどに焦点を置いた記事も作成いたしますので、お楽しみにしていただけると嬉しいです。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

ブライトリング
ナビタイマー B01 クロノグラフ 43
品番:AB0138241L1P1 ※ブティック限定
ムーブメント:ブライトリング01(クロノメーター取得自社開発製造キャリバー)
パワーリザーブ:約70時間
素材:ステンレススチール
ケースサイズ:43mm
防水:3気圧
メーカー国際保証期間:5年
価格:各¥1,188,000-(税込)