皆様こんにちは。
いつもブライトリングブティック京都のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
本日のテーマは、時計好きなら一度は耳にしたことがあるであろう「C.O.S.C認証」について。
ただ、名前は聞いたことがあっても、
「実際にどういう認証なのか?」「どんな基準があるのか?」
詳しく説明できる方は意外と少ないんです。

そこで今回は、C.O.S.C認証に関するクイズ形式で、楽しみながら知識を深めていただける内容にしてみました!
時計店スタッフでさえ全問正解する人はかなりレアですので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてくださいね!
そもそも「C.O.S.C認証」って何?
クイズに入る前に、まず軽くおさらいから。
「C.O.S.C認証(スイス公式クロノメーター検定協会)」とは、
スイスで製造されたムーブメントが、一定の精度基準を満たしているかどうかを審査する第三者機関による認証制度です。
この認証をパスしたムーブメントだけが、「クロノメーター」と名乗ることができます。
つまり、「C.O.S.C認証付き」とは、厳しい精度テストをクリアした“高精度時計”の証なんです!

それでは早速、クイズにいってみましょう!
第1問:C.O.S.C.認定を受けられるのは、どのような時計ですか?
A. 日本製の時計
B. スイス製の時計
C. ドイツ製の時計
D. ヨーロッパ製の時計
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「C.O.S.C.」とは、
Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres(スイス公式クロノメーター検定協会)の略称で、
スイスに拠点を置く第三者の認証機関です。
このC.O.S.C.が認定を行う対象は、
スイス国内で製造されたムーブメント(もしくは時計)に限られています。
つまり、日本やドイツ、アメリカなど、スイス国外で作られた時計はC.O.S.C.認証を受けることができません。
第2問:C.O.S.C.の検査で、機械式時計の平均日差の許容範囲はどれですか?
A. ±10秒
B. ±5秒
C. -4秒~+6秒
D. -2秒~+2秒
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特に重要な項目のひとつが「平均日差」、つまり1日にどれだけ時刻がズレるかという数値です。
そのC.O.S.C.が定める機械式ムーブメントの平均日差の基準は…
-4秒〜+6秒以内
これはつまり、1日で最大4秒遅れても、6秒進んでもOKということ。
この基準を試験期間中にずっとクリアし続けたムーブメントだけが、クロノメーター(高精度時計)として認定されます。
第3問:C.O.S.C.の検査期間は、機械式腕時計で何日間ですか?
A. 7日間
B. 10日間
C. 15日間
D. 30日間
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C.O.S.C.によるクロノメーター認証のための精度検査は、機械式ムーブメント単体を対象に15日間連続で行われます。
この期間中、ムーブメントは以下のような様々な姿勢(ポジション)と温度環境でテストされます。
これにより、実際の使用状況に近い条件で精度を評価することができるのです。
15日間もの間、1日たりとも基準を外してはならないため、
この検査に合格するムーブメントは、まさに「精密機械の優等生」と言えるでしょう。
第4問:C.O.S.C.の検査項目に含まれないものはどれですか?
A. 温度変化に伴う精度の変化
B. 姿勢差による精度の変化
C. 防水性能
D. 再駆動時の精度
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C.O.S.C.の検査は、あくまでムーブメントの「精度(時刻の正確さ)」に特化したテストです。
そのため、ケースに関わるような防水性や耐磁性、耐衝撃性といった構造面の性能は対象外となります。
ちなみに防水性能等はムーブメントの精度とは関係がないため、ブランド側の独自検査や国際規格(ISOなど)によって別途評価されます。
第5問:C.O.S.C.の検査対象に含まれないものはどれですか?
A. 機械式腕時計
B. クォーツ腕時計
C. 懐中時計
D. スマートウォッチ
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スマートウォッチはC.O.S.C.の検査対象外です。
その理由は、スマートウォッチがムーブメント(機械式・クォーツ)を使わず、電子制御によって時刻を表示するデバイスだからです。
時刻精度もネットワーク(インターネットやGPS)を通じて自動補正されるため、時計そのものの精度を評価するという意味での検査が成り立たないのです。
第6問:C.O.S.C.の検査所が存在しない都市はどれですか?
A. ビエンヌ
B. ル・ロックル
C. ジュネーブ
D. サンティミエ
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C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定協会)は、スイス国内に複数の検査所(ラボ)を持っています。
それぞれのラボでは、ムーブメントの精度を15日間かけて厳格にテストしており、スイスの精密時計産業を支える重要な役割を果たしています。
スイス最大級の都市のひとつであるジュネーブ(Geneva)には、C.O.S.C.の検査所は存在しません。
ただしジュネーブには別の高級時計認証、たとえば:
ジュネーブ・シール(Poinçon de Genève)
→ 高級時計の「美しさ」や「仕上げの質」などを審査する制度
…が存在しており、C.O.S.C.とは異なる観点からの品質保証が行われています。
第7問:C.O.S.C.の検査で、クォーツ腕時計の検査期間は何日間ですか?
A. 7日間
B. 13日間
C. 15日間
D. 19日間
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C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定協会)では、クォーツ時計に対しても独自の精度検査を実施しています。
ただし、機械式と異なり、クォーツ式ムーブメントには電子的な特性があるため、検査方法や期間も異なります。
この検査をパスするには、13日間のすべての検査で「月差±25秒以内」という非常に厳しい精度基準をクリアしなければなりません。
クォーツでC.O.S.C.を取得している時計は数が少ないため、「高精度の証」として非常に価値が高いんですよ。
第8問:C.O.S.C.の検査で、クォーツ腕時計の検査項目に含まれるのはどれですか?
A. 磁気耐性
B. 温度変化による精度の変化
C. 防水性能
D. 耐衝撃性
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C.O.S.C.のクォーツクロノメーター認定は、一般的なクォーツ時計とは一線を画す高精度基準を設けています。
そのなかでも特に厳しくチェックされるのが、温度による精度への影響です。
クォーツは温度に敏感なため、温度補正回路(TCXOなど)を搭載している高精度クォーツでなければ、検査を通過できません。
温度による誤差を精密に測定するために、複数の温度帯での計測が必要です。
そのため、日数が13日間とやや長く設定されているのです。
第9問:C.O.S.C.の検査で、機械式時計の検査姿勢数はいくつですか?
A. 1姿勢
B. 3姿勢
C. 5姿勢
D. 7姿勢
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C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定協会)では、機械式時計のムーブメントがさまざまな姿勢(=向き)で正確に動作するかを検査します。
これは、日常生活で腕時計がどのような角度で使われても、安定した精度を保てるかを確認するためです。
①文字盤上(Dial up)
②文字盤下(Dial down)
③縦姿勢:3時が上(Crown down)
④縦姿勢:6時が上(Crown left)
⑤縦姿勢:9時が上(Crown up)
第10問:C.O.S.C.の検査で、機械式時計の検査温度は何度に保たれますか?
A. 18℃
B. 23℃
C. 28℃
D. 33℃
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C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定協会)の機械式ムーブメント検査では、検査中の環境条件が厳密に管理されています。
そのひとつが温度で、検査精度のばらつきを防ぐために一定の温度で統一された環境が必要です。
✅ なぜ「23℃」なのか?
・23℃は、機械式ムーブメントが最も安定して動作する“中間的な温度帯”
・スイス国内の平均的な室温に近く、日常使用を想定した条件
・ムーブメントの膨張・収縮が最小限に抑えられる温度で、正確な性能評価が可能
📏 C.O.S.C.の機械式検査で管理される主な条件:
温度:23±1℃
湿度:45〜75%(ただし非公開の場合あり)
検査期間:15日間
5姿勢での計測(前問で解説)
日差、姿勢差、等時性などを総合評価
C.O.S.C.クイズ全10問まとめ&振り返り!
問題 | 正解 | ポイントまとめ |
---|---|---|
第1問:C.O.S.C.認定を受けられるのは? | B. スイス製の時計 | スイス製(Swiss Made)のムーブメントが条件 |
第2問:機械式の平均日差の許容範囲 | C. -4秒〜+6秒 | 高精度なムーブメントのみが合格できる基準 |
第3問:機械式時計の検査期間 | C. 15日間 | 5姿勢・3温度で15日間の徹底測定 |
第4問:検査項目に含まれないもの | C. 防水性能 | ケース性能は検査対象外、ムーブメントのみ |
第5問:検査対象に含まれないもの | D. スマートウォッチ | 機械式&クォーツが対象。スマートウォッチは対象外 |
第6問:検査所が存在しない都市 | C. ジュネーブ | ジュネーブにはC.O.S.C.はないが、別認証あり |
第7問:クォーツ時計の検査期間 | B. 13日間 | 温度変化を含む過酷な13日間の精度試験 |
第8問:クォーツ検査項目に含まれるもの | B. 温度変化による精度変化 | 高精度クォーツに欠かせない評価項目 |
第9問:機械式時計の検査姿勢数 | C. 5姿勢 | 実使用を想定した多角的な精度検証 |
第10問:検査時の温度設定 | B. 23℃ | 精度が最も安定する基準温度 |
クイズを終えて…あなたの腕時計は「C.O.S.C.認定」されていますか?
ここまで10問のクイズにお付き合いいただきありがとうございました!
C.O.S.C.認証の奥深さや、精度に対する厳しい基準を知ると、普段何気なく使っている腕時計への見方も変わってくるのではないでしょうか?

そんな中で、スイスの名門「ブライトリング」は全ての時計(クォーツも含む)でC.O.S.C.認定を取得しています。
これは実は非常に珍しいこと。
多くのブランドはラインナップの一部モデルのみがC.O.S.C.認定を受けている中、ブライトリングは「すべての時計に対して精度保証を提供する」数少ないブランドです。
ブライトリングのこだわり
・クォーツも、温度補正機構(SuperQuartz™)を搭載し、C.O.S.C.をクリア
・機械式ムーブメントは自社製・サプライヤー製問わず、すべてがC.O.S.C.基準を満たす
・お客様への「信頼」と「安心」を第一に考えた“精度の哲学”

しかし、ブライトリングの誇る自社製キャリバー「B01」には、実はそのC.O.S.C.よりもさらに厳しいテスト基準が課されているのをご存じですか?
このムーブメントは、耐久性・安定性・実用性のすべてを高次元で実現したプロフェッショナルのための心臓部。
時計ファンや機械式マニアからも高く評価されており、まさにブライトリングの技術力の結晶といえる存在です。
詳しくは下記記事をご覧ください!