
皆様、こんにちは。
いつもブライトリング ブティック 京都のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回はモルガン・スタンレー社 × ラックスコンサルト社より、2025年度版スイス腕時計業界のレポートが発表されたので、そちらの内容をもとに記事を書かせていただきます。
まず最初に、2025年のスイス時計市場は“量”ではなく“価値”で動いている。
スイス時計産業は長年にわたり世界中の時計好きとマーケットをリードしてきました。
しかし近年、市場の構造は変わりつつあります。
2025年版モルガン・スタンレー社 × ラックスコンサルト社の最新レポートで浮かび上がったのは、市場の縮小とトップブランドへの集中 — いわば「選ばれるブランド」と「選ばれにくいブランド」の 明確な二極化 です。
本記事では、2025 年の時計ブランドランキングを読み解きながら、時計業界の現在地と未来の潮流を紐解いていきます。
※ 「選ばれるブランド」と「選ばれにくいブランド」とはあくまでもデータで見たときのイメージです。
※参考資料:Morgan Stanley × LuxeConsult“Top 50 Swiss Watch Brands 2025”Monochrome Watches掲載データをもとに作成
世界のスイス時計市場は “縮小の局面” に

まず前提として押さえておきたいのは、スイス時計市場が 成熟期から次のフェーズへ移行している という点です。
過去 10 年以上にわたり世界市場は拡大を続けてきましたが、2024〜2025 年は 総小売価値が前年比で縮小。
出荷本数は2011 年のピーク時から見ると 約半分以下 まで減っており、需要そのものが変化しています。
これは単に「時計が売れない」という話ではありません。市場が成熟し、価値観が多様化した結果でもあります。
2025 年 “売上トップ 5 ブランド” の勢力

最新レポートが示すトップ 50 ブランドの中で、特に注目すべきは以下の 5 ブランドです:
- ロレックス(Rolex)
- カルティエ(Cartier)
- オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)
- パテック・フィリップ(Patek Philippe)
- オメガ(Omega)
中でもロレックスは 依然として不動のトップポジション を維持しています。供給数を戦略的にコントロールすることで需要を支え、年産約 110 万本 — これは他を圧倒する数字です。
しかし注目すべきは、その 勢力図の変化。
かつてロレックスと熾烈なランキング争いを繰り広げていたオメガは、今回 5 位まで順位を落とす結果 に。
一方で、オーデマ・ピゲ、パテック・フィリップ、リシャール・ミルは高価格帯モデルを中心に人気・価値を維持し、トップ圏内を固めています。
「分極化」が進む時計市場

時計マーケットを象徴するキーワードが “分極化” です。
レポートによると、市場全体に存在する約 450 のブランド のなかで、上位 4 社(ロレックス/カルティエ/オーデマ・ピゲ/パテック・フィリップ)が 売上の 50%以上 を占めています。
つまり、
🔸トップブランドが収益を伸ばす一方で
🔸中堅ブランドやミッドレンジブランドは苦戦
という構図が、はっきりと数字で表れているのです。
特に売上高が 15%以上減少したブランド が 10 社以上にのぼり、これは 市場をけん引するエントリーモデル〜ミッドレンジの需要が縮小していること を示唆しています。
「高価格帯モデル」が価値を創る構造へ
一見すると市場縮小はネガティブな変化ですが、別の視点もあります。
CHF 50,000(約 700 万円)以上のモデル は全体の本数では 1.4%とわずかですが、輸出額の約 37% を占め、成長の約 89% を牽引 している、というデータがあります。
これはつまり、
▶ 高価格帯・超高級モデルが市場を引っ張っている
▶ 消費者は単に時計を買うのではなく、高い価値体験やステータスを求めている
ということ。
かつての「エントリーからミッドまで均等に伸びる拡大市場」とは異なり、上質な価値への投資が強まる市場 に変わってきているのです。
変化するブランドの立ち位置
トップ 5 ブランドの顔ぶれを見ると、興味深い点があります。
🔹 ロレックス は供給戦略で需要を支える一方、
🔹 オーデマ・ピゲ/パテック・フィリップ/リシャール・ミル は超高額帯で市場価値を保つ。
この結果、時計好きやコレクター層からは
- 「資産性のある時計に注目が集まる」
- 「時計は時間を知る道具ではなく価値を象徴する存在へ」
という意識が強くなっています。
同時に 独立ブランドの存在感 も見逃せません。F.P. ジョルヌ、H. Moser & Cie、MB&F など、こだわり抜いた独立系ハイエンドブランドが静かな隆盛を見せており、昨今では Christopher Ward といった新興勢もトップ 50 に食い込む動きが見られます。
これからの時計市場に向けて
2025 年の時計業界を一言で表すなら――
「成熟と分極、価値への再評価」です。
単純な量的成長は期待しにくくなっていますが、同時に
✔ 高価格帯モデルの存在感
✔ ブランド固有のストーリーと価値
✔ コレクター視点で支持される独自性
といった 品質・価値の重視 がより鮮明になっています。
これは単に売上ランキングを見るだけでは分からない、時計という文化そのものが進化した結果 とも言えるでしょう。
時計ファンへのメッセージ
時計は単なる道具ではありません。時間を刻むだけではなく、 価値観や歴史、自己表現の象徴でもあります。
ロレックスやオーデマ・ピゲ、パテック・フィリップといった王道ブランドはもちろん、独立系や新興ブランドの躍進も、これからの時計市場を面白くしていくはずです。
今後は単純な“人気・売上”だけではなく、
✨ 自分の価値観に合った時計を選ぶ
✨ 長い時間を共にする相棒を見つける
という楽しみ方が、より深く、より意味あるものになっていくでしょう。
ブライトリングはその中でどうなのか?
市場が分極化するなかで、単純な売上ランキングだけではブランドの価値は測れません。
ブライトリングは近年、コレクションの再編やヘリテージ強化を進め、
「プロフェッショナルツールウォッチ」から
「リアルラグジュアリー」へと進化を遂げています。
超高額帯へ振り切るブランドとも、価格競争に入るブランドとも異なる、
“リアルラグジュアリー”という立ち位置。
それはむしろ、分極化が進む現在の市場において、
安定感と将来性を感じさせるポジションとも言えるでしょう。
今後は”ハウス ブライトリング”、グループとしての動きも業界内で注目されています。
「ユニバーサル・ジュネーヴ」「ギャレ」がどう展開されていくかにも目が離せません。
また、やはり普遍のアイコニックな存在をもっているということが、とてもブランドとしての強みです。
「ナビタイマー」は70年以上続く、クラシカルクロノグラフウォッチです。
しかし、時代と共にデザインが変わるということはなく、
誕生当時から完成されたブライトリングのアイデンティティとも言えるのではないでしょうか。
そういったこともあり、誕生当時は空への憧れが広がる時代でした。
そのためナビタイマーは、パイロットが身につける時計として多くの人の憧れとなり、長く愛される存在となりました。
現代ではブライトリングの根幹であり、
時代を牽引してきた確率した立ち位置を得たコレクションという点でも愛され続けていることを感じます。
私が感じる時計選びの流れ
実際に店頭に立っていて感じるのは、
「価格」だけでなく「その時計を持つ意味」を重視されるお客様が増えていることです。
以前であればブランドネームやランキングを基準に選ばれるケースも多く見られましたが、
現在は「自分にとって納得できる一本かどうか」を大切にされる方が増えています。
また、初めての高級時計として選ばれる価格帯も、数年前と比較すると確実に上昇しています。
- 初めての一本の価格帯は上がっている
また、初めての高級時計として選ばれる価格帯も、数年前と比較すると確実に上昇しています。
これは単なる値上げの影響だけではなく、
「長く使える一本を選びたい」という意識の変化の表れだと感じます。
- リピーター層は“より本質的な選択”へ
リピーターのお客様は、よりブランドの歴史や設計思想、
ムーブメントの背景に目を向ける傾向が強くなっています。
市場が分極化している今だからこそ、
“自分にとっての本物”を選ぶ動きが強まっているように感じます。
最後に
何をどう選ぶか…というところが重要になってきます。
市場は確実に変化しています。
しかし、変わらないものもあります。
それは、
「自分にとって意味のある一本を選ぶ」という本質です。
ランキングでも価格でもなく、
自分の価値観にフィットする時計を選ぶこと。
それこそが、成熟した市場における
最も豊かな選び方なのではないでしょうか。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
記:澤本
